令和5年を振り返りつつ、未来への思いを込めて

御無沙汰しております。

 

令和6年を迎え、気持ちを新たにするため、令和5年を振り返りつつ、今後の方針を記載していこうと思います。

 

令和5年は、私事での変化が大きい年でした。

父親の闘病、介護、死去、相続…と初夏から12月まで、仕事に専念できないまま、今年1年が終わったような気がします。人が生きて死ぬということがこれだけ大きなことなのかと、思い知りました。また、喪主を務め、墓を建てるなど、30代では経験しないことをたくさん経験しました。気持ちの上では準備はしていたつもりですが、正直なところ、必死でなにをしたのか、覚えていません。気付いたら年末でした。

 

相続について、法務とは直接関係ありませんが、得た知見を2つ共有します。

  1. 法定相続情報一覧図の作成について
  2. 相続税等の納付について

 

1について、人が死ぬと法的にどうなるか、モノになる…という話ではなくて、人が死んだ後の各種手続についてです。まずは、死亡診断書を書いてもらい死亡届を提出、火葬場での許可を受けるなどなどあります。そのあとは、年金や社会保険についての手続なども引き続き行います。銀行口座を有していることがほとんどであると思いますが、銀行への連絡(そのタイミングはよく考えて行う必要があります。)も必要です。

 

本人であれば、本人確認をして手続を行うわけですが、相続人は当然本人ではなく、また、本人はいない、意思表示ができないわけですので、代理人でもないです。法的効果が帰属する自然人が存在しないからです。相続人という立場で、各種手続に対応することになります。

 

このとき、特に私は父親と苗字が違いますので、お前はだれで、どういう立場なのか?を説明し、また、証明する必要があります。戸籍から通常は親子関係などが分かるわけですから、真っ先にこれを取得する必要があります。これまでは、戸籍を管理している役所に出向き、又は郵送により発行依頼をしてきたわけですが、今後は楽になります。全国で発行が可能になります。少なくとも、戸籍を追う必要があり、場合に応じて、除籍なども必要になります。要は、生まれてから死ぬまでの流れが分かるように、必要な書類全てを入手する必要があります。

 

入手した後は、各手続においてこれを利用することになります。しかしながら、対面でこれを提示し、写しをとっていただくことで終了するものもあれば、原本を郵送し、又は一定期間預かるというものもあります。戸籍証明も無料ではありませんから、たくさんの証明書を入手しようとすると、手数料だけで結構な費用を要します。

 

ここで、良い制度があります。

法定相続情報一覧図です。

これは、被相続人(亡くなった人)と相続人の関係性を示し、法務局が証明をしてくれるというものなのです。認証付きですし、私の経験ですと、これが通用しない手続はありませんでした。なによりも、証明書の発行は無償です!繰り返しますが、無償です!

 

基礎情報となる戸籍の情報を入手し、法務局が用意しているひな形(主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例:法務局)を利用し作成することができます。司法書士などに頼まずとも、情報さえ入手できていれば、すぐにPCで作成することができます。登記になりますので、記載するときの体裁などはお気をつけください。葬式後、まずはこれの作成を優先して行うと、その後の手続がとてもスムーズになります。

 

2について、税について、今回はe-Taxのソフト版を利用し、申告及び納税を行いました。国税庁としてはこれの利用を促進していますし、添付書類なども省略できる傾向にあります。全く分からない人は税理士に頼むのも一つですが、複雑であれば自分でもできます。

が、マイナンバーとの連携やウェブ経由での納税など慣れている人でなければ難しいと思いました。税理士さん向けにはかなり便利な環境が急速に整っていると感じました。

マイナンバーカードを利用して電子署名を付す必要などがありますが、カードリーダーはなくて大丈夫です。最近のスマホはとてもよく出来ていて、カードリーダー代わりになります(不安定ですが)。BluetoothでPCとスマホを接続すれば、カードリーダーになります。

 

結果的には数か月で申告しましたが、何冊も書籍を読み、国税庁の通知通達を読み、根拠法令にも当たるなど、かなりの時間を要しました。自分でできる系の本を読んで、ちんぷんかんぷんということであれば、素直に税理士さんにお願いするのがいいと思います。2度としたくないです。特に不動産がある場合は、素人が手を出すハードルが一気に上がります。

 

ただ、(準)確定申告については、シンプルで分かりやすいなと思いました。今後、確定申告は行うかもしれませんので、良い勉強になりました。

 

お金の計算は、エクセルやソフトなどを利用してしっかり管理するのが重要ですね。

 

相続においては、手続をたくさんしましたが、物理的な荷物などの片付けも何日もかけて行いました。正直、見たくないものもたくさんありましたが、正面から受け入れて、少しずつ浄化しているところです。

 

また、並行して、我が家に新生児がやってきましたので、相続と育児を同時にやっていました。不幸中の幸いというか、育休に入る前から休みを取って相続の手続や片付けをずっとやってました。今は育児に全振りです。

 

10月初頭から1月半ばまで、あまり長くはない期間と思いますが、あと2週間程度で仕事復帰になります。ですが、時短をする予定ですので、しばらく、法務としては半人前が半人前仕事をやる可能性が高いです。

 

今年は、去年からですが、家族や家庭のことをやるのがメインになると思います。それもあって、なかなかリスク行動をとることは難しいですし、そもそもそういうことをする必要はないのかもしれません。

 

ただ、人生をよくするため、豊かにするため、マイナスを減らすため、できる行動をやるべきで、しっかり判断すべきと考えています。まだまだ悩んでいます。

 

大枠としては、今年は、今までの経験をしっかり体系的な知識に落とし込んでいくことに注力したいと思っています。こつこつと法律の知識を身につけていく。コツコツやることが大事だと痛感しています。何がどうなるかわかりませんが、気になったことは放置せず、しっかり学ぶ。一歩一歩頑張ります。

 

令和5年に経験したこと、特にそこで感じたことを言語化すること、そもそも思い出すことも、言葉に詰まる瞬間が少なくありません。一方で、そういう状況でも助けてくれる人たち、お話ししてくれる人たちがいて、感謝しかありません。

 

この社会の豊かさにもっと寄与できないか、次世代のために何ができるのか、自分が満足して死ぬためにこれから何をしていけばいいのか、まだまだ悩んでいます。

 

しかし、軽率でもいいしやってみる、経験してみる、そういうことが大事です。

どんどん前に進んで、試行錯誤して、いい方向を見出せればと思います。

 

令和6年も荒波かもしれませんが、ときに波に乗り、ときに流されつつ、細く長くやっていこうと思います。

 

令和6年もどうぞよろしくお願いいたします。